私はある日、兄の胃がんと兄が入院していた病院の事、そして、自分の肝臓がんと今入院している事を、いろいろ比べながら考えていました。

私の兄は胃がんの末期と診断された上、余命3ヶ月の宣告をされました。

当時、兄の主治医は私にはそう告げましたが、兄には知らせませんでした。

私は兄に、治療とは別に、ガンに良いとされる健康補助食品を探して飲んでもらったりしていたが、思うような効果は得られずにいました。

そんな時、私は藁にもすがる思いで主治医にお願いした事がありました。

『先生、兄は余命宣告を受けていますが、何か他に治療法は無いものですか?兄を助けてください。お願いします。』

すると主治医は机の上に置いてあった医学書のような本を手に取り、パラパラとページをめくる仕草をしながら言いました。

『残念ですが、お兄さんに出来る治療方法はもう無いのです。』と言う一言で終わってしまいました。

当時と何も変わっていない

私は、今もあの当時と何も変わっていないような気がしています。

医学は様々な形で目覚ましく進歩しているとは思いますが、ガンの病気、しかも私のような末期がん患者に対しては、何一つ変わっていないように思えます。

私は闘病中、同室になったがん患者さんやそのご家族の方々と話すことも多くありました。

病院での治療一本で頑張っている方や私達のように健康補助食品も活用されている方もいらっしゃいました。

皆、がん患者はいつの時代も大きな恐怖と闘っているのだと思います。

ガンに対して知識が無い方が多いように思います。

そんな中で私は、【ガンという病気に対してあまりにも知識が無い】と思うことが良くありました。

時には、『この人はガンという病気を一体どのように考えているのだろう。』と首を傾げてしまうようなこともありました。

病院へ入院してガンの治療を受ければ、ガンは簡単に治るものだと考えているのだろうかと思うような人も少なからずいました。


抗がん剤治療に関しても、事前に副作用などの話しを聞いているはずなのに、『副作用が出た』とか、『病状の改善が見られない』とか言って、先生に不平不満を言う患者さんやご家族の方の多く見受けられました。


自分の命は自分で守っていく

私はたまたま【ガン家系】なのか、兄だけでなく父もガンで亡くしています。

ガンという病気は、【生きるか死ぬか】の生死を分ける闘いだと思っています。

私は兄の胃がんと死をキッカケに、『自分がもしガンになったら』と普段から意識をして知識を付けて行きました。

何かが起きてから行動を起こすのではなく、最悪の事態を招かないためにも、事前に何らかの対応が必要ではないかと考えていました。

その意味で、私が出会ってきたガン患者さん達も、もっと真剣にガンと闘う知識を持たなければいけないと言いたい時が何度もありました。

私の主治医も、私の病状に変化が起きて相談しても『がんだから』の一言で片付けていました。

少々生意気な言い方かも知れませんが、

私は病院や先生に【頼る】のではなく、【活用】しながら自分の命は、自分で守っていく

という考え方を今でも持っています。

自分の命は自分で守る!:肝臓がん末期闘病記