『再び』キノコ採りへ

10月中旬になっても、私の身体から出る胆汁は安定していました。

もう半月以上、点滴は受けていませんでしたが、体調に変化はありませんでした。

体重も【５５キロ　⇒　５７キロ】へと増えていました。

なんと、元気だった頃の体重さえ超えてしまっていました。これは明らかに、味覚の変化で甘いものを食べ続けてきた結果だと思います。
私の大好きなキノコ採りシーズンだったこともあり、妻と二人で軽井沢へキノコ採りに出かける事にしました。

道中の景色を楽しむ

行きは国道を走り、帰りは高速道路を使うコースで、それぞれの景色を楽しむ事にしました。

碓氷峠を登るにつれ、木々が少しずつ色付いて行く、赤や黄色、緑色と色とりどりに染まり、とても綺麗な景色でした。

頂上まで登りきると、目の前に雄大な浅間山が見えました。

『ここから見える浅間山が一番良いな。』

そんな事を妻と話しながら目的地へと向かいました。

途中、いつもの休憩場所で車を停め、缶コーヒーを買いました。

『去年は、胆汁があふれて大変だったよな。』

『あの時は、私もびっくりしたよ。それにしても、去年と今とでは別人のようだね。元気な頃と変わらないよ。今、胆汁はどう？』

『大丈夫だな。』

綺麗な景色の中、そんな会話をしながら目的地へ向かいました。

そして念願のキノコ採り

目的地へ着き、私と妻はいつもの場所へ向かい、早速、念願だったキノコ採りを開始しました。

お目当てのシモフリシメジを探すのに、私の体調も良く、軽快に歩き回る事が出来ました。

『アッ！ここにもあった！』

私達の会話が大きく響き渡っていました。


やがて、胃がんで亡くなった兄が生前付けておいた目印のところに行き着きました。

1年前もこの場所に立ち、兄が付けた印に『来年も必ずここに来る』と誓った事を思い出しました。

「兄貴、ガンはまだ克服出来ていないけど、去年とは全く違って体調はだいぶ良いよ。来年またここに来るときには、必ずガンを克服して来るから」

と約束して、その目印の場所を後にしました。

帰りも妻と楽しく

キノコ採りの時期は、日が暮れるのも早いです。

林の中では、午後3時を過ぎると薄暗くなり、キノコ採りも終わりにします。この日はまずまずの収穫でした。


帰りは高速道路を利用して、横川SA内のレストランで遅めの昼食タイムを楽しむ事にしました。

私達はキノコ採りに来ると、必ずといって良い程、ここに立ち寄っていました。

私と妻は、いつものとんかつ定食を注文しました。

しばらくすると、とんかつ定食が運ばれてきました。

私は早速食べ始めました。

『どう？食べられそう？！』

私は笑顔で頷きました。とんかつ定食は味覚の変化の中でも、美味しく食べる事が出来ました。

これは余談ですが、私達夫婦に人気だった横川SAのとんかつ定食、その後、SA内がリニューアルされ、とんかつ定食がメニューから無くなってしまいました。とても残念です。

家に戻ると、早速キノコを洗い、いつものように正月用に調理して冷凍保存しました。

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