意識が無くなってからどの位時間が経った頃でしょうか、私は目を覚ましました。
個室で点滴を受けていました。
やはり原因は脱水症状だったようで、点滴で症状は回復したようでした。
しばらくすると看護師さんが部屋に入ってきました。見た事のある看護師さんで、その部屋が4階の病棟だと分かりました。
『またお世話になります。ところで今何時ですか?』
『夜の7時です。』夕方、救急車で運ばれてから数時間経過していました。
『のどが渇いたので水をもらえますか?』
『ごめんなさい、笹野さん。先生から水分は摂ってはいけないと言う指示が出ているので今日は我慢して下さい。』
看護師さんはそう言うと、私の胆汁の容器を見て、胆汁の処理を始めました。
私はとっさに、『ところで看護師さん、早速なのですが4人部屋に変えて下さい。』とお願いしました。
理由は・・・こんな事があったからです。
主治医の『自白』、やはり原因は【造影剤の副作用】
『あんなに脱水症状には気を付けて水分を摂っていたのに何故また、こんなに大変な脱水症状になってしまったのだろう。』
『水も摂ってはいけないと言う事は食事は更に先の事なのかな。』
『水も食事もダメって、こんな状態で末期ガンに勝つ事が出来るのだろうか。』
特に脱水症状には妻にも協力してもらって気を付けていたので今回の緊急入院は私達夫婦にとって落胆は大きいものでした。
翌日、4人部屋に移動出来ました。
しかし、急だった事もあり、この時は窓際のベッドが無く、いつものように浅間山を見ることが出来ず、残念でした。
しばらくすると、主治医が様子を見に来ました。
『先生またお世話になります。ところで先生、お茶とか何か飲んでも良いですか?』
『2,3日様子を、見させて下さい。うがいをする程度でしたら問題ありませんよ。』そう言うと触診を始めました。
『ところで先生、ちょっと伺いたいのですけれど、私が2度も急な脱水症状に襲われている原因って、バルーン手術の検査の時の造影剤の入れ過ぎではないのですか?あの日以来ですから、こんなに急に具合が悪くなったのは。』
『笹野さんのために何とか広げられないかなと思ったんだけどね。少し多かったかなと思う事もありますが、何とか広げられないかなと思ってね。』
そう言うと主治医は病室を出ていきました。
私には人の命を預かっている医師の言葉とは思えませんでした。
主治医への不信感は募っていく一方
私はこの頃、主治医に対する不信感が募っていく一方でした。
2度の緊急入院、突然の脱水症状、今まで原因がわからずいましたが、この時の主治医の『自白』によって、原因が【造影剤の副作用】であった事が確信出来ました。
と、それと同時に、【肝臓がんの進行】によるものでないという事も確信出来、正直、少しホッとした気持ちもありました。
体調不良の原因がわかった以上、これからまた、少しでも早く【自分なりの食事と健康食品】の生活に戻りたいと強く思いました。
主治医の指示に反し、冷水を飲んでみる
私はこの時、食事はおろか水分の摂取すら主治医から止められていたため、健康食品すら飲む事が出来ずにいました。
何とかしなければと焦っていました。
脱水症状は点滴治療で2,3日後には回復する事が出来たので、私は思いつきで1階の待合室にあった冷水機で口をゆすいでみました。
特に変化はなく、大丈夫そうだったので、何度か口をゆすいだ後、主治医の指示に反し、冷水を飲んでみました。
体調に変化は無く、主治医への不信感ばかりが募る
私は主治医の指示に反して冷水を飲んでみましたが、それによる体調の変化は全くありませんでした。
主治医が何故私に水分摂取禁止の指示を出しているのか、私には理解が出来ませんでした。
妻がお見舞いに来てくれた時、主治医に造影剤の入れ過ぎの疑問を聞いてみた事を話しました。
『やっぱり造影剤の入れ過ぎが原因だったのね。今度の主治医は何を考えているのか良く分からないよ。食事もダメ、水分もダメって。体力をつけなければいけない大事な時期なのに。』
『さっき試しに冷水を飲んでみたんだ。先生は口をゆすぐくらいは良いが飲んではダメと言っていたけど、もう30分は経つかな、何でもないよ、大丈夫だよ。』
私も妻も主治医への不信感が益々募っていきました。
その翌日、水分摂取の許可が出ました。
私は早速妻に健康食品をクーラーバックに入れて持ってきてもらうようお願いしました。
それと同時に、窓際のベッドが空いた事で、私は窓際のベッドが空いている部屋に移動になりました。
やはり、窓際で外、そして浅間山を眺められる事はとても気持ちが良いです。気分一新出来たような気持ちでした。
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