10月下旬のある朝のことでした。

私は朝起きていつものように胆汁の容器を確認するため容器に目をやりました。

『エッ?!』

容器はカラで、チューブに目をやると、胆汁の流れが止まってしまっていたのです。

私は驚いて、早速妻に病院まで送ってもらいました。

生食水で対応、胆汁が流れ出す

病院へ到着すると、運が良いことに、その日の外科の外来は私の主治医でした。

点滴を受けていると主治医が私の様子を見に来てくれ、注射器に生食水を入れてチューブから注入しました。

この時、思わず声を出してしまう程の刺激がありました。

注射器から入れた後、今度は逆にそのまま注射器で引く、注射器の中に戻ってきた生食水には、胆汁に混じって白いカスのようなものがありました。

注射器を抜くと胆汁が流れ始めました。

主治医はそれを確かめると、外来の診察室へ急いで戻って行きました。

またすぐに胆汁が止まってしまう

私はいつも胆汁に振り回され、自分自身ではどうにもならないこの状態に、苛立ちを覚えていました。

点滴を受けている間、スポーツドリンクなども更にプラスして飲んでいました。

そして、30分程、ウトウトした後でした。

ふとチューブに目をやると、また胆汁が止まっていました。

こんなにすぐ胆汁が止まってしまうことなど、今まで無い、初めての経験でした。

『もしかしたらまた、チューブの交換をしなければならないのか。』と大きな不安にかられました。

生食水の処置を数回繰り返す

私はすぐにナースコールを押し、看護師さんに胆汁がまた止まってしまった事を伝えました。

すると、外科の看護師さんが来て、生食水を出し入れする処置をしてくれました。

胆汁はまた流れ始めました。

しかし、今度は明らかに、点滴よりも胆汁の出る量の方が多く、合間を見て私を観に来てくれた主治医からは、点滴をいつもより1本多くする事を指示されました。

1本約2時間の点滴を3本、約6時間もの間、私は点滴を受けました。

点滴の間、考えることと言えば、『腹が減った、何か食べたい。』お恥ずかしい話ですがそんな事ばかりでした。

しかしこの間も、2回ほど、胆汁が止まり、外科の看護師さんに同じように生食水の処置をしてもらいました。

3本目の点滴が終わりそうな頃、外来も終わり、主治医がまた見に来てくれました。

『笹野さん、またもし止まるような事があったら、看護師さんに伝えて下さい。ここにいる看護師さんはベテランなので、処置が出来ますからね。』

3本目の点滴が終わりチューブを見てみると、胆汁に混じって、やはり白いカスのような物が点々と見え、チューブの中で動いたり止まったりしていました。

『一体、このカスのようなものは何なのだろう。』

そんな事を考えながらも、もしまたすぐに詰まってしまっては困るので、帰る前にもう1回、処置をしてもらうことにしました。

結局、この日だけで【4回】生食水の処置をしてもらいました。
看護師さんに処置をしてもらう:肝臓がん末期闘病記



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