健康な時、健康な人は気にかける事もほとんど無いと思いますが私は病気になって初めて、風呂に入ることの喜びを知りました。

しかし、この頃は情けないことにシャワーでさえ一人で浴びる事が出来ませんでした。

シャワーを浴びる準備と、シャワーを浴びた後の処置は、必ず誰かの手を借りなければなりませんでした。

胆汁を外に出しているチューブは、脇腹に穴をあけ、直接肝臓の胆管へ通っていました。

胆汁を体外に出すためのチューブ

そのチューブがズレないように、また、抜けてしまわないように、脇腹を固定するプラスチックの器具が何ヶ所も糸で縫って体に留めてありました。

この場所からもし細菌などが入ってしまったら、命に関わる事になりかねないので当然、浴槽に入る事は出来ませんでした。

シャワーを浴びる手順

私がシャワーを浴びるのにこれだけの処置が必要でした。

  1. 固定してある器具のところへ何枚もガーゼをかぶせる
  2. その上から防水用の粘着テープをしっかりと貼る
  3. 更に濡れないようにタオルをかぶせる
  4. シャワーを浴びる
  5. 器具を押さえながらそっと粘着テープをはがす
  6. 消毒をする
  7. 新しいガーゼをかぶせる
  8. 粘着テープを貼る

シャワーを浴びる度、こんな事を繰り返していたので、粘着テープを貼ったところがかぶれてしまい、かゆくて仕方がないのですが、かくことも出来ませんでした。

また、テープをはがす時に器具が動いてしまい、糸で縫い合わせてあるところが酷く痛みました。

しかも、この糸が何度となく切れてしまうため、その度に麻酔を打って糸を縫い直さなければなりませんでした。

そんな繰り返しのため、脇腹の皮膚もケロイド状態となり、ちょっとした動作でも激痛が走りました。痛み止めの薬をもらっても、ほとんど効かないような激痛でした。

当たり前の事が出来ないストレス

私はそんな状態でしたので、シャワーですら度々浴びる事は出来ませんでした。

病室では毎日、看護師さんが蒸しタオルで体を拭いてくれていましたが、やはりどんな思いをしても、私はシャワーを浴びる方が好きでした。

我が家の風呂にゆっくり浸かれるようになるのは、一体いつのことになるのだろうか・・・。

とにかくこのチューブが取れない限り、シャワーでさえ、満足に浴びる事は出来ません。

病気になると、当たり前にしていた事さえ、満足に出来なくなる、それがまたストレスになって行きました。

シャワーを浴びる事すら一人では出来ませんでした:肝臓がん末期闘病記


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