移動したばかりの病室でしばらく外を眺めていると、主治医が血液検査の結果を持って私のところに来ました。
『これを奥さんに見せて下さい。笹野さん、カリウムの数値が【7】になると普通の人は死んでしまいます。』
そう言って主治医は病室から出ていきました。それと同時くらいに妻がお見舞いに来てくれました。
私のカリウムの数値は【6.9】
私は早速その血液検査の結果を元看護師でもある妻に見せました。
『カリウムの数値が【7】になるといつ終わっても(死んでも)、何が起こってもおかしくないって先生が言ってたよ。』
私のカリウムの数値は【6.9】でした。
その後、自分で調べてみると、カリウムの基準値は【3.5-5.3】という事でした。
また、カリウムの数値が高いと、腎機能低下や腎不全の可能性が高くなり、高カリウム症となって、麻痺や心臓障害などが起きるそうです。
この事から考えると、あの時の私の脱水症状の状態は心不全などの『ショック死』が起きても不思議ではない状態だったようでした。
妻はその時既に、私の結果があまりにも良くないと思ったのでしょう、血液検査については特に言葉を発しませんでした。
また、指示に反して水を飲んでみる
妻が帰った後、私はまた、主治医の指示に反し、冷水機に立ち寄って水を飲んでみました。
この時はまだ、主治医から水を飲むことの許可は出ていませんでしたが、私は生きるために納得出来る自分の考えで行動し始めていました。
もちろん、水を飲んでも体調の変化はありませんでした。
翌日の回診時、主治医に聞いてみました。
『先生、水はダメでも氷を口に入れるくらいなら良いですか?』
『そうですね。氷くらいなら大丈夫でしょう。』
何故、水がダメで氷は大丈夫なのか、疑問を感じながらも早速私は妻に連絡をして、今度のお見舞いの時に氷を買ってきてもらうようにお願いしました。
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