私がカテーテル手術を受けた直後、妻は主治医から余命3ヶ月の宣告を受けていました。
もちろん当時の私は全く知りませんでした。
カテーテル手術の翌日、病院から自宅に電話があり、『話しがあるので病院に来て欲しい。』と言われたそうです。
妻は、とてもイヤな予感がしたそうです。
病院での主治医の話しは妻の『イヤな予感』通りでした。
『笹野さんのガンは大きく、肝臓にいくつも出来ています。』
『笹野さんの余命は3ヶ月です。』
妻はその場で泣き崩れ、しばらく椅子から立ち上がる事さえ出来なかったそうです。
『そんな顔、旦那さんに見せられないよ。』
そう看護師さんに言われた妻は、顔を気持ちを落ち着かせようと病院の駐車場に向かい、しばらくの間、車の中にいたそうです。
余命宣告の事は絶対に話さないと決める
妻は主治医から私の余命宣告を受けた後、しばらく車の中で自分を落ち着かせていました。
いろいろな事が頭の中で駆け巡っていたそうです。
かなりの長い時間、車の中にいた後、妻は私の病室に向かいました。私はちょうど眠っていました。
しばらくすると私は妻に気付き、『足がだるい。もんでくれないか。』と言いました。
この時妻は、涙が出そうなので、下を向きひたすら私の足をもみ続けてくれました。
そして妻はこの時、『余命宣告の事は絶対に話してはいけない。』と決心したそうです。
その時の妻の気持ちを考えると今でも本当に胸が苦しくなります。
そして、いろいろな面で本当に良く『耐えて』くれたと思います。
- ⇒次ページ 12:肝臓移植 妻が肝臓提供を申し出る
- 闘病記年表に戻る