2005年(平成17年)11月初旬、私の体から出ている胆汁は1,000cc以下に減り始めていました。

胆管が正常になり、胆汁が体の中へ流れ始めているのか、それとも、また詰まってしまう前兆なのか。

私は良い方に考えて良いのか、悪い方に考えたほうが良いのか迷っていました。

主治医に再検査のお願いをする

私は一度、主治医に相談してみようと思い、久しぶりに主治医の外来の日に診察を受ける事にしました。

『お久しぶりです、笹野さん。大分お元気そうですね。』主治医は久しぶりに見る私の姿にそう言ってくれました。

『ところで先生、今日は相談があって来ました。胆汁の出る量も1,000cc前後で安定しているので、点滴を受けるのをやめて様子を見ていましたが、ここに来て、出る量が更に少なくなって安定しているということは、良いことなのですか。』

『安定しているのは良いことだろ思います。』

『では先生、胆管が今どうなっているのか、検査をしてもらえますか。』

『わかりました。検査の日を決めましょう。』

私はその場で検査の日を決めました。

『ところで先生、もし胆汁が少しでも流れていれば、胆管を広げるバルーン手術をする事は可能ですか。』

『胆汁が少しでも流れていれば、出来ると思います。とにかく検査をしてみましょう。』

バルーン手術が出来れば、一番のネックだった脇腹のチューブを取ることが出来ます。

私は期待と不安が入り交じる中、その日は帰宅しました。

『同じ失敗をしないようにね。』

家に帰って早速その事を妻に伝えました。

『胆汁の出る量が減って、しかも安定しているということは、胆汁が体の中へ流れている!と良い方向に考えたいな。ちょっと前までは1日2,000cc前後だったでしょ?それが今は600ccとか、700ccとかに減って来ているのだから、半分は身体の中に流れていっているじゃないかしら。』

『もしそうだとすれば、バルーン手術は出来るな!そうすれば、このチューブも取れるぞ!』

『おとうさんてば(笑い)。でもあんまり期待し過ぎない方が良いよ。』

更に、『また同じ失敗をしないようにね。』とまで言われてしまいました。

気持ちがわかるだけに痛い一言でした。

同じ失敗⇒造影剤の副作用で突然寒気と吐き気と腹痛に襲われました。




胆管が正常に戻っていることを願う!:肝臓がん末期闘病記



⇒次ページ 75:『驚いたことに胆管が正常に戻っています。』
闘病記年表に戻る