【人は死の直前、急に一時的に体調が回復することがある】と聞いた事があります。
幸い、私は今こうやって元気に過ごしていますが、こんな経験がありました。
今までにない異常な程の胆汁の不安定
バルーン手術可否の検査入院から退院した翌日の事でした。
胆汁の出る量が今までとは明らかに違ってとても不安定になりました。
まず、胆汁の出が急に増えました。
普段なら、500ccの容器がいっぱいになるのに数時間かかっていたものがこの日はわずか1時間ほどでいっぱいになってしまったのです。
しかし、しばらくするとその勢いが急に弱まって、今度はいつもより出が悪くなったりしました。
そんな事が日中、何度か起こりました。
その日の夜は、容器からあふれても良いように、いつもより大きな容器を置いておきましたが、私は不安で不安で眠れませんでした。
翌日は食欲も無く、起き上がるのも面倒な程のだるさに襲われる
その翌日、もちろん寝不足もあったのでしょうが、その日は朝から身体の調子があまり良くありませんでした。ベッドから起き上がるのも面倒な程、、身体のだるさに襲われました。
妻に食欲が無いから朝食は要らないと伝えると、『何を言っているの!今がとても大切な時期なんだから少しでも食べないと良くならないよ!』と強い口調で怒られてしまいました。
妻の気持ちは良く分かるのですが、この日だけは【食事】という行為がとても大変で辛く感じました。
私は『生きるために』、ある意味『必死で』この日は口に入れていました。
昨夜の胆汁の出に妻も心配する
私が『生きるために』必死で口に入れている時、妻が胆汁について私に話しかけて来ました。
『昨夜の胆汁の出方は普通じゃなかったね。いつもと同じ時間に胆汁の容器を見に行ったら昨夜はもう溢れていたの。今までそんな事なかったのに、おかしいよね。今日もお父さん、調子悪いみたいだし。』
『うん。胆汁のせいで今日は体調が良くないのかな。』
私はこの時、昨夜も昨日日中と同じように、胆汁の出方が異常だった事を知りました。
それと同時に、私は胃がんの末期で亡くなってしまった実兄の事を思い出してとても不安になり、弱気に悪い事ばかり考えてしまいました。
人は死の直前、急に体調が良くなる事を実兄で実感した出来事
私は【人は死の直前、急に体調が良くなる】という事を実兄で経験しました。
実兄が胃がんの末期で入院していた時、先生からは病院の治療をしても余命3ヶ月と言われていました。
そんな中、1度だけ『もしかしたら良くなっているのか?!』と希望を持った時がありました。
親戚の方が兄のお見舞いに来てくれた時の事でした。
当時、兄には【胃がん】、しかも【末期】と言う事は告げずにいました。
しかし、兄は心の中では自分の病が分かっているようにも感じていました。
そんな兄がお見舞いに来てた親戚の方々に言いました。
『ここ数日、本当に身体の調子が良くなって来たんですよ。自分の命はもうあまり長くはないのかと一時は諦めていたけれど今はこのまま病気が良くなって退院出来るのでは?!と思っているんです。』と。
そんな話しをしていた矢先、兄の容態は急変し、帰らぬ人となってしまいました。
『私も兄と同じように一時的に良くなって急変して死んでしまうのだろうか。』
そんな事を考えて、一人不安に駆られ、弱気になり落ち込んでしまいました。
- ⇒次ページ 32:急な体調異変で救急車、死の宣告を受ける
- 闘病記年表に戻る